若者の貧困問題が深刻?私たちは使い捨てられる存在なのか

2017年7月27日

現代の日本の若者が、どのような生活水準で暮らしているか、ということはあまり話題になりません。ニュースで話題になるのも、「今年の就職内定率は〜%だった」という表面的な部分だけです。高校や大学を卒業した若者が、その後どんな暮らしを送っているのか、何を求めているのかはフォーカスされません。実は日本の若者の生活はだんだん貧しくなり、貧困状態に近くなってきています。そこで今回は、「若者の貧困問題」について見ていこうと思います。

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若者の貧困問題1. 働けどお金がない?

若者の平均的な所得は下がり続けています。高校を卒業し、東京に夢見て上京してきたごく普通の若者たちのほとんどが苦しい生活を送っています。最近は求人がバブル期並みに多いと言われていますが、募集の多い飲食業のチェーン店や建設業に正社員で入ったとしても、もらえるお給料はとても少ないです。更に長時間労働や残業代の無払いはもはや当たり前なので、時給換算するととても低くなってしまいます。たとえ勤務態度が真面目で、懸命に働いていても、貰えるお金は少ないままです。そして過労や病気で一度退職すれば、トラウマで再就職が難しくなります。東京で一人暮らしをするためには、月10万円近くの家賃を払い続けなければなりません。もちろん家賃10万円が贅沢なら更にグレードを落としてボロアパートに変えればいいのですが、退職して、貯蓄が尽きてボロアパートにすら住めず、最終的には脱法ハウスと呼ばれる格安で劣悪な居住地に住む若者もいます。「君の名は」に憧れて田舎から上京してきた若者たちが、理想とは全然違うとても貧しい生活を送っているのです。

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若者の貧困問題2. 高学歴でも貧しい?

若者の貧困は低学歴に限った話ではありません。一流大学を卒業しても、高給取りである大手商社やマスコミに就職できる勝ち組みはほんの一握りの人だけです。ほとんどの大卒の人は中小企業に就職して、決して多くはない給料で生きていくことになります(非正規雇用であればなおさらです)。毎月の家賃の支払いと奨学金の返済が家計を圧迫するので、手取り20万円ぽっちでは贅沢はできません。そのため、「高学歴なのに貧しい」という人が多いのです。さらに、経済成長期と違って、何年勤務しても給料が上がらないので、30代になっても手取りが20万円台の人も多いです。親の世代のように、家が買えるわけがありませんし、車を買う余裕もありません。ましてや結婚しても共働きでなければ生活がギリギリになってしまいます。一流大学を卒業したのに、奨学金を返しながら子育てをし、共働きするために子どもの保育園を探し回る生活を送らなければなりません。待機児童問題の本質は、保育園が足りないことではなく、若者に金銭的な余裕がないことなのです。

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若者の貧困問題3. 親を頼れなければゲームオーバー?

若者の半数近くは実家暮らしをしているそうです。こう聞くと「若者は甘えている」、「若者はすねかじりだ」などと言う方もいるかもしれませんが、実際はそんなに単純なものではありません。むしろ親を頼れる若者はラッキーで、恵まれているのです。親との仲が悪く、全く頼れなかったり、実家が貧しく、親が子どもに仕送りを要求してくる場合は人生がゲームオーバーになりかねません。親と仲が良く、実家暮らしをしながら勤務先に通える若者はとても恵まれています。彼らは少ない給料を家賃に吸い取られる心配もないので、貯金に励むことできるし、なんなら趣味にお金を使う余裕も生まれます。同じ職場で同じ給料であっても、実家暮らしか一人暮らしかで生活水準が大きく変わってしまうのです。さらに一人暮らしでうっかりブラック企業に入ってしまった場合、その会社を辞めるのが困難になってしまいます。退職して収入が途絶えると最悪の場合家賃が払えなくなってゲームオーバーになるからです。もしも実家が裕福で、仕送りをしてくれるなら、ブラック企業を辞める決断をする余力が生まれます。このことからも、セーフティネットとして親を頼れるか、頼れないかで、ゲームオーバーになる確率が大きく変わってくるのです。「自立できないなんて情けない」と言われようとも、そんなちっぽけなプライドを簡単に捨てられるくらい若者は貧しいのです。

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若者の貧困問題4. 娯楽はスマホとSNS?

最近は「若者の〜離れ」という言葉をよく耳にします。これには、「最近の若者は元気がないな〜」くらいの軽い受け取り方をされがちなのですが、実際にはお金に余裕がないから、モノやサービスに使えないというのが本質です。余裕があるなら車を所有したいし、家も買いたいです。できるならば、お酒も飲みたいし、もっとモノや娯楽にお金を使って、バブリーな生活を送ってみたいと思っています。でも、実際にそれはできません。なので、お金のかからないスマホのSNSに娯楽を見出します。ツイッターやインスタをチェックしたり、YouTubeで動画を見るならお金は1円もかかりません(通信料はかかりますが)。音楽もスポティファイで聞けば無料です。通話さえもLINEを使えば無料の時代になりました。モノを買うときも、アマゾンなら送料は無料ですし、メルカリならモノをより安く買うことができます。このように、お金のない若者たちにとって、スマホは命と等しい存在なのです。今や彼らの時間やエネルギーは全てスマホに注ぎ込まれています。寝ている時と、働いている時以外の時間は全てスマホに関心が向かっているのです。そうしたいというよりも、そうせざるを得ないのかもしれません。

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最後に

いかがでしたでしょうか。今回は、「若者の貧困問題」についてご紹介しました。この手の話題になると、「若者は努力をしていない」、「若者は甘えてるだけだ」という人がいますが、まずは現状を正しく認識するところから始めましょう。若者の貧困問題はヨーロッパでも進んでいるようで、イギリスでは街を歩けば若者の浮浪者(ヤングホームレス)をよく見かけるそうです。いずれは、日本においてもヤングホームレスが発生する事態は避けられないかもしれません。最近は「求人が増えている」、「人手不足だ」と言われていますが、その実態はどこかしこも若者を使い捨てるブラック企業ばかりなのです。酷使され、心身ともに病んだ若者たちは、やがて行き場を失い自殺するかホームレスになるでしょう。「若者の貧困問題」を扱った書籍などはいくつか出ているので、気になった方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。


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