500 Startupsのハラスメント問題とシリコンバレーのカルチャー

2017年7月2日
[最終更新日]2017年07月02日

先日、アメリカのシリコンバレーの投資会社「500 Startups (ファイブハンドレッド・スタートアップス)」のCEOであり創業者であるデイブ・マクルーア(Dave McClure)さんがCEOを辞任したニュースが話題になりました(参考: 500 Startupsのデイブ・マクルーア、セクハラでCEO辞任)。辞任の理由は女性に対する不適切な対話、すなわちセクハラということです。500 Startupは、シリコンバレーでは知らない人はいないほどの超有名な投資会社で、すでに日本を含む世界60ヶ国に進出しています。また、CEOのマクルーアさんは会社の顔であり、カリスマとしても知られていたそうです。今回はそんな「500 Startupのハラスメント問題とシリコンバレーのカルチャー」について見ていきましょう。

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500 Startupsとは?


500 Startups (ファイブハンドレッド・スタートアップス)」とは、アーリーステージ(起業直後の段階)のベンチャーファンド(投資会社)であり、シードアクセラレーター(成長支援を行う会社)です。デイブ・マクルーアとクリスティン・ツァイによって2010年に創設されました。2011年にはカリフォルニアのマウンテンビュー(シリコンバレーの真ん中)にオフィスを構え、12のスタートアップのインキューベーター(ベンチャー支援)として事業を始めます。2015年8月までに1,200以上の企業に投資し、数多くの事業を軌道に乗せ、成果を上げててきました。まさに成功を夢見るベンチャー起業家にとって、500 Startupsは希望の星のような存在のようです。

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500 Startupsのハラスメント問題


では次にマクルーアさんのハラスメント問題について見ていきましょう。今回の件に関して、共同創業者であるツァイさんは、

ここ数ヶ月、我々は共同創業者である Dave McClure 氏が、テックコミュニティの複数の女性と不適切な対話をしていたと了解しました。彼の振る舞いは受け入れがたいもので、500 Startups の分野や価値を反映したものではありません。彼の選択と、そこから生じた関係者への痛みやストレスに対し、真摯にお詫びします。しかし、お詫びは、意味のある行動や変化を伴わなければ十分ではありません。このことから、我々は数ヶ月前、500 Startups におけるリーダーシップのストラクチャーを変更する決断をしました。私が CEO の役割を担い、経営チームと毎日のオペレーションを監督します。

とコメントしています(参考: 500 Startups、「女性との不適切な対話」を理由にDave McClure氏を除名)。セクハラの具体的な内容は明らかにされていませんが、マクルーアさんが女性起業家に対して、投資家という立場を利用したハラスメントを行なっていたようです。それは露骨に性的なものというより、過度に尊厳や自身を失わせたり、不安に陥らせる精神的なハラスメントであったようです。マクルーアさんはCEOを退きましたが、ゼネラル・パートナーとして500 Startupsに残り、カウンセリングを受けて改心に励むそうです。

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ハラスメント問題が続くシリコンバレー


シリコンバレーのハラスメント問題といえば、配車サービスを手がける「Uber」も先日問題になりました。500 Startupsも、Uberの件に引き続きだったので、「シリコンバレーではハラスメントが蔓延している」という捉え方をされるかもしれません。しかしながら、このようにハラスメントが表沙汰になるのは、カルチャーが健全な証拠であるという見方もできます。例えば、ハラスメント問題があまり大ごとにならない日本では、ハラスメントが皆無であるかと聞かれれば、実際はその真逆ですよね。日本でもこのような「セクハラ」はたくさんあるものの、ほとんどは表沙汰にはならず、ましてや問題にすらされずに、被害者は泣き寝入りするケースが当たり前になってしまっています。そのため、Uberや500 Startupsの件のように、被害者が声を上げてきちんと問題として認識されているシリコンバレーのカルチャーは素晴らしいと言えるかもしれません。もちろん、ハラスメントそのものがなくなることがベストですが、そのためには、まず問題をきちんと認識しなければならないのです。

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最後に

いかがでしたでしょうか。今回は「500 Startupのハラスメント問題とシリコンバレーのカルチャー」についてご紹介しました。もちろんハラスメントは許されざることですが、500 Startupsとマクルーアさんがこれまで達成してきた実績は紛れもなく本物ですし、シリコンバレーの発展に貢献したことは間違いありません。おそらく投資家として急激に成功する傍らで、徐々にモラルの境界線が見えなくなってしまったのでしょうか。マクルーアさんにはカウンセリングに励んでもらって、被害を受けた女性たちにきちんと謝罪し、また別の場で活躍してもらいたいところですね。こういった問題は誰しも加害者・被害者になる可能性があるので、当事者を処分して終わらせるのではなく、ハラスメントを事前に防ぐ対策、再発を防ぐための対策が重要になります。そして我が国日本では、まずはハラスメントを問題として認識するところから始めなければいけませんね。

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