もしも「YouTube TV」が日本で始まるとどうなる?

2017年3月2日
[最終更新日]2017年10月20

ついにメディアの歴史を変えるXデーが来てしまったようです。

米時間2月28日、グーグル傘下のYouTubeは衝撃的な新事業を発表しました。それはテレビ番組をインターネットでライブ視聴できる、「YouTube TV (ユーチューブ・ティービー)」というサービスです。

「YouTube TV」は、月額$35でケーブルテレビで放送されているあらゆる番組を、スマホやタブレットなどで視聴可能にするサービスです。そうです、インターネットさえあれば、どこからでもテレビを見ることができるサービスが遂に始まったのです。

ケーブルテレビとえば、ネットフリックスやAmazonプライムビデオなどのストリーミング配信サービスの影響で解約者が続出する「コードカッティング」という行為が社会現象となっていました。

新たな「YouTube TV」の開始は、これまで「ケーブルテレビでどうしても見たい番組があるから」と解約を渋っていたユーザーのコードカッティングを後押しすることになるかもしれません。

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「YouTube TV」とは?

「YouTube TV」とはどのようなサービスであるか、まずは情報を整理していきましょう。

  • 月額$35
  • 家族で6アカウントまで取得可能
  • 同時視聴は3つの端末まで
  • 米ケーブルテレビの約40チャンネル以上が見放題
  • テレビの放送時間にライブ配信される
  • CMは入る
  • 「YouTube TV」専用の広告も用意される
  • 「cloud DVR」機能で過去番組も約90日間検索・保存可能
  • 「YouTube Red」の作品も見放題
  • 「YouTube TV」アプリから視聴可能
  • スマートフォン、タブレット、PC、スマートテレビなどに対応
  • あなたに合った番組をオススメしてくれる
  • 現時点ではロサンゼルス、ニューヨークなどの一部の地域のみ対応

以上は現時点でいくつかのニュースサイトに取り上げられている情報をまとめたものです(参考: TechCrunch JapanGigazine)。実際にサービスが始まるときには仕様が変更になっている可能性もありますのでご了承ください。

ここまでの情報を見て、「テレビに$35も払うのかよ」と思った方も多いかもしれませんが、アメリカで主流のケーブルテレビは月額$70以上するらしいので、それを考慮すると安いのかもしれません。

また、ケーブルテレビにとって最大の敵であるインターネット(ましてやYouTube)に魂を売ることは、ケーブルテレビの生き残りをかけた最後の手段なのでしょう。

おそらく「YouTube TV」はコードカッティングを加速させますが、何も手を打たずに放っておいても、どの道先はなくオワコンになるだけと踏んだのかもしれませんね。

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「YouTube TV」はグーグルだから実現できた?


テレビとインターネットのミックスとえば、ジョブズ時代から長年アップルの野望でした。そしてアップルがテレビ関係者と交渉していることは何度もニュースになっていましたが(参考: The Wall Street Journal)、今の今まで実現できませんでした。

そして代わりに、ようやくグーグルがテレビとインターネットを融合するという夢の実現に至ったのです。これはやはり「グーグルだから実現できた」と捉えるべきです。

アップルはコンピュータから始まり、「ハードウェア事業」で成長してきた会社です。一方でグーグルは検索エンジンから始まり、「広告事業」で成長してきた会社なのです。

テレビの運営には「広告事業」が肝を握ります。そのため、有料コンテンツを得意とするネットフリックスやアマゾンにさえも、「ネットでテレビを配信する」することは実現できなかったようです。

まさに「YouTube TV」は、広告屋のグーグルだから実現できたと言えるでしょう。

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もしも「YouTube TV」が日本で始まるとどうなる?


では次に、もしも日本で「YouTube TV」が始まると、どのようなサービスになるのか想像してみましょう。

日本版の「YouTube TV」で視聴できるのは、地デジ・BS・CSその他ケーブルテレビ(J-COM)などの40チャンネル以上で、月額3,980円程度とします。他の視聴方法などの機能は全て米版「YouTube TV」と同じ仕様だとしましょう。

果たしてこのサービスはヒットするのでしょうか。おそらく、あまり加入者は伸びないかもしれませんね。

日本のテレビといえば、主に無料放送の「地デジ」がメインで、スカパーやケーブルテレビなどの有料放送を契約している割合はそれほど高くありません。

対するアメリカでは、テレビといえば有料放送のことを指すほど「ケーブルテレビ」がメインに普及しています。

つまり、そもそも「テレビは有料で見るもの」というアメリカ人の感覚と、「テレビは無料で見るもの」という日本人の感覚が違っているのです。

さらに、ただでさえ地デジの視聴率は右肩下がりで、スカパーの契約数も減少の一途を辿っている(参考: JIJI.com)ので、「今更オワコンであるテレビ番組を、金を払ってまで見たいと思わない」、あるいは、「金を払って見るほど価値のあるコンテンツではない」という考えの人も多いのではないでしょうか。

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最後に

この「YouTube TV」がアメリカにおいて「コードカッティング」をさらに加速させることは間違いなさそうです。

アメリカでもテレビ離れが進んでいるとはいっても、ケーブルテレビの契約者はまだ数千万人以上います。

この「時代に取り残された数千万人」が、今後はインターネットに引越しすることになるのでしょうか。そしてテレビ番組はインターネットの動画コンテンツの内の一つとなるのでしょう。

一方で、日本のテレビ放送はこれからどうなっていくのでしょうか。おそらく、YouTube TVとは違うかたちで、インターネットにおける視聴へとシフトしていくことが予想されます。

ひょっとすると2020年代には、「テレビ放送」という言葉は死語になっているのかもしれませんね。

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