OLED(有機EL)ディスプレイは電子書籍の普及を促進する?

2017年2月22日

皆さんはOLED(有機EL)ディスプレイというものをご存知でしょうか。OLEDディスプレイは液晶よりも薄く、また柔軟で曲げられる特性を持っています。そして何よりも発色が鮮やかで特に黒の描写が綺麗と言われています。この次世代技術であるOLEDディスプレが、遂に新しいiPhoneに採用されるのではないかと今話題を集めています。そしておそらくiPhone採用の流れを受けて、他のスマホメーカーもこぞってOLEDディスプレイを採用してくる可能性が高いです。そうなれば、スマホディスプレイの未来は、まさにOLEDにこそありといえるでしょう。

そして奇しくもこのOLEDディスプレイの普及によって、あるものが恩恵を受けるのではないかと予想します。それは「電子書籍」です。現在における電子書籍の世界普及率はおよそ12%と、あまり定着していません(参考: statista)。電子書籍がいまいち普及していない原因は様々あると思いますが、その大きな理由の一つは、液晶ディスプレイで活字を読み続けると目が疲れるからではないでしょうか。ただでさえ目に悪いブルーライトを発していると言われている液晶ディスプレイで、細かい文字を長時間読み続けることが健康に良いはずがありません。ところが、OLEDディスプレイにはその問題を解決できる可能性があります。なぜならOLEDはその構造上目に優しいと言われているからです。

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OLEDは目に優しい?


OLEDディスプレイは液晶ディスプレイとは違って、バックライトを使わない素子の自発光によって映像を表示します。そのため、ブルーライトを照射するLEDを持つ液晶ディスプレイと違って「目に優しい」と言われているそうです。もちろんこれはあくまでも定説なので、実際に実証実験をしてみないと何とも言えないところです。もし本当にOLEDが目に優しいとするならば、これまでは「目が疲れる」、「目が痛いから」という理由で電子書籍を敬遠していた人たちも、ひょっとしたら興味を示してくれるようになるかもしれません。「電子書籍は目が疲れる」という常識は過去のものになるのかもしれませんね。

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電子書籍は専用端末よりスマホで読む?


実はすでに目に優しい電子書籍端末として、「キンドル・ペーパー・ホワイト」という素晴らしいものがアマゾンが発売されています。この端末にはディスプレイに「電子ペーパー」が採用されているので、紙を読むのと変わらないレベルで目に優しいと言われているのです。

ところが、スマホとキンドル端末の両方を持っていると、結局スマホで電子書籍を読んでいるという人は多いようです。その理由は、スマホはいつも持っているものだし、何かと便利なのです。一方でキンドルペーパーホワイトは良くも悪くも本を読むことしか能がなく、スマホに比べてタッチの反応が遅いなど不便なところが多いのです。結果として、多少目に悪くてもスマホで電子書籍を読んだ方が使い勝手が良いという結論に至った人は多いようです。つまり電子書籍は専用端末よりも、いつも使っているスマホで読むのがベストなのです。これはちょうどスマホのせいで携帯音楽プレーヤーが絶滅したことに似ているのかもしれません。

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電子書籍と紙の本は両立できる?


よく「電子書籍と紙の本はどっちが優れているか」という論争が起こりますが、実際のところはどちらも一長一短だと思います。どちらにもメリットとデメリットがあるので、理想なのはその両方をうまく使うことです。

例えば、私は初見で読む本はなるべく電子書籍で読むようにしています。そしてその中で本当に気に入って何回も読みたいと思ったものだけ、「紙の本」を買うようにしています。これによって物理的なな保存場所を節約することができますし、部屋の本棚にあるのは、紛れもなく自分が星5個をつけた本だけになります。電子書籍のように、アプリの中の本は次第に存在を忘れられていきます。ところが、部屋に置かれた物質的な「紙の本」は、置き方によっては毎日目にすることが可能になります。そしてふと暇な時間ができたときに、その本を手にとって読むことができるのです。つまり電子書籍は「場所を取らない」というメリットがあって、紙の本には「存在感がある」というメリットがあるのです。

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最後に

もちろん、スマホにOLEDディスプレイが搭載されたからといって、電子書籍の普及率が爆発的に伸びるとうことはまずないと思います。増えるとしてもせいぜい数%程度かもしれません。それでも、最初はこれまでスルーしていた層の人たちが使ってくれるようになることが大切なのです。

日本では2020年から義務教育にタブレット端末を導入することが検討されています(参考: ZDNet Japan)。小学生の時期から液晶ディスプレイに毎日さらされるのは絶対に健康に良くないはずなので、「目に優しいOLEDディスプレイ」はここでも役に立つのではないでしょうか。そして、タブレットで育った子どもたちは、おそらく「本はタブレットで読むもの」という刷り込みを得るはずです。そうなればその子どもたちの世代が年をとっていくにつれて、電子書籍はぐんぐんシェアを伸ばしていくのかもしれません。

ひょっとしたら30年後の未来の子どもたちは「紙の本を見たことがない」と言い出すかもしれませんね。ちょうど今の若い世代の人たちが「レコードを見たことない」のと同じようにです。このようにOLEDディスプレイの普及というのは、そんな未来の世界を実現するための最初の第一歩なのかもしれませんね。

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