日本経済はもう限界?これからどうなるのか

2017年1月15日
[最終更新日]2017年02月18日

1990年代以降、日本経済は停滞を続けていると言われています。そんな経済状況から脱却するべく、2012年末には第2次安倍政権による大胆な金融政策、いわゆる「アベノミクス」が始まりました。アベノミクスは一定の効果を上げ、その勢いでデフレ脱却に期待がかかりましたが、2015年から再び経済失速が始まり、続く16年の日銀による「マイナス金利政策」もさほど効果がなく、もはやアベノミクスは失敗に終わったのではという声が上がっています。

このようにあらゆる手を尽くしても成長できない日本経済は、もはや限界を迎えているのでしょうか。今の若者にとっては、この今の日本の経済状態がもはや普通になっており、逆に株価やGDPが上がり続けた時代があったなんてにわかに信じられなくなっています。それもそのはず、日本のGDPは1990年代をピークに全く増加しておらず、この20年以上の間「まるで成長していない…」状態なのです。他の先進国G7のGDPを見ると、1996〜2016年の間にアメリカ、イギリス、カナダは2倍以上成長しており、フランスも2倍弱、ドイツ、イタリアは1.6倍の成長を遂げています。もちろん他国の場合は通貨のインフレも関係しているかもしれませんが、日本だけこの異常な経済状況からいつまでも脱出できないのは事実です。

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日本経済のこれまでとこれから


ではここで日本経済がどうして今の状態になったのか、というこれまでの過去の話と、これからどうなっていくのかという未来の予想をしていこうと思います。

1970〜80年代


1970年代は輸出の増加で日本企業は売上をバンバン増やしました。まさに日本の家電や自動車が世界で売れまくった「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代でした。73年の変動相場制への移行と、オイルショックによって一時は成長に陰りが見えましたが、再び輸出産業の増加で持ち直しました。この時期になると、アメリカでは不景気と日本製品が売れすぎる背景から「ジャパンバッシング」という抗日運動が熱を帯びていきます。そして1985年のプラザ合意によって急激な円高が進み輸出産業が大ダメージを受け、その対応として政府が低金利政策をとったところ、バブル景気が発生しました。1970〜1989年の間に、日本のGDPは5倍以上になりました。

1990〜2000年代


91年のバブル崩壊の煽りを受けて、多くの企業は倒産しました。企業は生き残りをかけて採用枠を減らしました。そして就職氷河期が到来しました。さらに売上を落とした企業は、利益を維持するために経費・人件費の削減を開始しました。リストラによって職を失う人が増え、この頃から安く雇える非正規雇用が増えました。そして世界ではグローバル経済主義が始まり、中国の安い労働力を使った低価格のモノが流通し始めました。それらが相まって、日本では消費が冷え込み、デフレの時代が始まりました。人々はより安いモノを求め、節約志向になったのです。また、日本企業もモノを安く売るために非正規雇用や従業員一人当たりの仕事量を増やし始め、いわゆるブラック企業が増え始めました。GDPも1997年をピークに減少に転じ、そのまま今に至ります。ちなみにこの時代にパソコンとインターネットが爆発的に普及しました。1990〜2009年間の日本のGDP成長率はたったの1.04倍です。

2010〜2020年代


デフレ脱却のために2013年から金融政策を行う「アベノミクス」が始まりました。アベノミクスは一時は効果を上げて日経平均株価は15年ぶりに2万円を超えました。人々はついに経済回復かと期待しましたが、その後再び失速。2016年のマイナス金利政策も効果がなく、また元のデフレ時代に戻り始めたのです…(ここまでが過去のお話)。

※ここからは未来予想になります。

アベノミクスは一定の効果を上げましたが、肝心のGDPは上がりませんでした。この時代の日本は、金融政策によって経済を立て直そうとした時代でしたが、結果的に効果はあまりなく、横ばいでした。17年に就任したアメリカのドナルドトランプ大統領は、貿易黒字を達成するべく徹底したドル安政策を行い、日本は未曾有の円高時代に突入しました。そして2020年代になると、それまで好調だった中国経済が失速を始め、代わりにインド経済が勃興し始めます。ちなみにこの時代には、スマートフォンやIoTデバイス、自動運転などの新しい機器が数多く登場しました。

2030〜2040年代


2030年代に入ると、テクノロジーが大きく飛躍し「AI」というものが頻繁に使われるようになります。すると企業はこぞってAIの導入で利益を増やし始めました。それは余計な従業員をどんどん解雇してAIに置き換えるものでした。このいわゆる「AIリストラ」が社会問題になります。それまで安泰とされていた大卒の中間管理職などがAIに仕事を奪われ始めたのです。そして、まるで19世紀イギリスのラダイト(機械打ちこわし)運動を彷彿とさせる、AIの利用をやめさせるためのデモや事件が世界中で起きました。増え続ける失業者に対応するべく、日本政府はベーシックインカムの導入を検討し始めます。

2050〜2060年代


「AIリストラ」も一巡し、世界の企業はすでに成長の限界に達していました。どの国も日本のようにGDPの成長が止まり、資本主義の限界に到達としたという見方が増えてきたのです。すでにいくつかの先進国でベーシックインカムが導入されており、働かなくても一定の水準の暮らしを送れるようになっています。企業はより高度なAI開発のために日夜明け暮れています。この頃から、生活に余裕のできた人々が芸術活動や起業活動を始めるのがブームとなります…。

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最後に


今、世界の経済は混乱の真っ只中にあります。2016年にイギリスはEUから離脱して、難民をシャットアウトして自国の雇用を優先させることを決めました。2017年にはアメリカ大統領となるドナルド・トランプも、メキシコ移民を追い出して国内の雇用を増やすと再三再四唱えています。このように、外国の安い労働力を使う従来までのグローバル経済主義から一転して、自国の雇用を優先するローカル経済主義へと舵を切り始めたのです。

では日本はどうかというと、島国と言語のせいか、これまでグローバル経済主義を取り入れたくてもできない状態で、やむをえずローカル経済主義をとっていました。そして海外の安い労働力を使う代わりに、非正規雇用を増やして価格競争に立ち向かっていたのです。では、ローカル経済主義へと舵を切ったイギリスやアメリカが今後どうなるかというと、日本のように低賃金で雇われる非正規雇用が増加することが予想されます。なぜなら企業の利益を維持したまま、雇用を増やすにはその方法しかないからです。もしかしたら、2020年代にはイギリスやアメリカでもブラック企業問題が社会現象になるかもしれませんね。過労死(Karoshi)はもはや日本特有の問題ではなくなるかもしれないのです。

これまでの時代も、世界の経済危機は何度かありました。そしてその都度戦争をやって雇用を作り解決していましたが、21世紀の人類はいい加減に別の解決策を考えるべきです。そうなると、やはり解決策は「AI」と「ベーシックインカム」の導入しかないのかもしれません。これまでの「雇用を無理やり作り出す」という考え方から、「人類が働かなくても暮らしていける方法」を考えた方がいいのかもしれません。働く必要がなくなれば、雇用を生む必要もなくなるからです。おそらくそれが実現する頃には、今のような資本主義は終わりを迎えているのかもしれません。そして何より「AI」のようなテクノロジーの進化が必須になるので、今を生きる私たちは未来のためにテクノロジーにかけるしかないのかもしれませんね。

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